赤岡町の紹介

祭りと芸術の花開く
かつての商都で醸す酒

地の利と赤岡商人が築いた独立独歩のまち

香南市赤岡町は、高知市から東へ約20km、高知県の中央に広がる香長平野の東南にある。「平成の大合併」が行われた2005(平成17)年まで、赤岡町として独立し、当時は全国で最も面積の小さな自治体だった。小さいながらも自主独立を保てたのは、地理的要因とそこで活躍した赤岡商人たちの存在が大きい。

秋葉山脈を源とする香宗川は、赤岡町中心部手前で大きく湾曲して太平洋へと流れ込む。これは赤岡町中心部が丘のような地形をなすからだ。今は住宅が密集してその面影はないが、かつてこの丘が海からは赤土の丘に見えたことから赤岡と名付けられたといわれる。

海上からも分かりやすい地形の赤岡は、古くは戦国大名・長宗我部家水軍の拠点となった。また江戸期に移ると参勤交代や沿岸航路の宿場町として栄えた。そのような状況から、京阪との交易に関わる回船業で大きな利潤を上げる商人たちが現れたのだ。

幕末から明治期にかけて「赤岡相場」ともいわれる独自の相場が立ち、高知県東部一商業都市として活況を帯びる。しかし戦後の交通網の発達により、地の利を生かせなくなった赤岡は、徐々に勢いを失っていく。

現在、赤岡町の旧道沿いにはかつての繁栄の面影残す商家や蔵が建ち並び、各所に史跡が点在している。今や一地方の静かな町のひとつとなってしまった赤岡ではあるが、年に数回、県内外から人が押し寄せる時期がある。それが「どろめ祭り」と「絵金まつり」だ。

どろめ祭り

酒豪が競う大杯飲みが名物の奇祭

イワシの稚魚を指す「どろめ」。このどろめを釜揚げにした「ちりめんじゃこ」は、赤岡町の古くからの特産品として知られる。地元では釜揚げする前のどろめを生のままで酒肴として楽しんできた。1959(昭和34)年、当蔵の三代目高木久吉が、そのどろめを観光資源の柱として売り出すため立案したのが「どろめ祭り」。開催日は毎年最終日曜日。会場となる太平洋の波が打ち付ける前浜の海岸には、5,000~6,000人もの人々が集い、ステージ上の様々なアトラクションを楽しみながら、どろめと共に「楽鶯 豊能梅」を酌み交わす。

この祭りを全国区に押し上げたのがメインイベントの「大杯飲み干し大会」。これは1962(昭和37)年の第三回から実施され、大人男性一升、大人女性半升を早さだけでなく、飲みっぷりの良さを競う。その豪快に飲み干すシーンは毎年各メディアで紹介され、赤岡の名を全国に広める一助となっている。なお、大杯飲みは医師の厳格な指導の下、体調管理には万全の体制を敷いている。

絵金祭り

天才絵師の屏風絵が商店街を怪しく彩る

どろめ祭りと並び「赤岡二大祭り」と称される「絵金祭り」は、1977(昭和52)年から始まった。毎年7月の第3土日、町内の商店街で開催され、絵金の屏風絵のほか屋台なども並び、町は活気に溢れる。

当蔵の銘柄「土佐絵金」の由来ともなった絵金は、幕末に活躍した天才絵師。土佐藩のお抱え絵師として活躍するものの、贋作事件に巻き込まれ城下を追放され、赤岡で創作活動にいそしんだ。主に歌舞伎のワンシーンを屏風に描いた屏風絵で知られ、血しぶち散るおどろおどろしい色使いの中に、ユーモアを混ぜ込んだ作品は独特の世界観を見せる。

絵金祭りでは、商店街の店頭に各家が保管していた屏風絵をろうそくの明かりだけで照らし展示する。炎に揺らめく23点の屏風絵を目にすれば、その迫力に圧倒されることだろう。

また同日には町民が演じる絵金歌舞伎も知られ、多くの観客を楽しませる。なお絵金の作品は町内の「絵金蔵」に収蔵され、祭り以外の日でも絵金の作品を感じることができる。絵金は赤岡町民にとって、今もなお欠かせない存在だ。

絵金祭り公式ページ

絵金蔵公式ページ

塩の道

先人の労苦が忍ばれる塩の古道

かつて豊かな海水を利用した塩田が広がり、塩市が開かれるほど製塩業も盛んだった赤岡。その塩を東部の山間部へ届けるための交易路「塩の道」が開かれた。それは赤岡町から物部町の約30kmに及び、山里に生きる人々にとって欠かせない命の道だった。

近年その歴史的価値を見直し、当時の塩の道の整備が進められた。その後日本ウォーキング協会選定の「美しい日本の歩きたくなる道500」にも認定された道沿いには、距離を示した「屋敷丁石」や旅人や馬の安全を祈願した「馬頭観音」など、往時を偲ばせる史跡も点在し、歴史ロマンと豊かな自然を満喫できるコースとなっている。「土佐塩の道保存会」によるガイドも行われている。

土佐の高知の地酒「豊能梅」日本酒醸造元

高木酒造株式会社

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