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松山三井は一般の酒米ですが、麹を造りやすく、しかも安価で、手頃な旨い純米吟醸酒を提供するには最適の米です。また、新酒時からまとまった香味を表現できる事から、新酒生酒などに向いています。
大吟醸「鶯寿」
大吟醸「絵金」
純米大吟醸
純米吟醸
昔から「一麹、二もと、三造り」と言われるように麹造りは酒造りの要とも言える部分で、杜氏の技の結晶と言っても過言では有りません。
清酒酵母はブドウ糖をアルコールに変える性質は持っていますが、ブドウ糖の供給源である澱粉を分解する作用はありません。日本酒では黄麹カビの力をかりて米のでんぷんを糖分に変えています。黄麹カビが蒸米に繁殖した状態を麹と呼びます。
<床もみ> 蒸米の引き込み後1〜2時間蒸米の温度が均一になるのを待ちます。その後床(とこ)に蒸米を薄く広げて「もやし」を種切り器に入れてまんべんなく振り掛けます。「もやし」とは黄麹菌の胞子の事で、「種麹」とも呼びます。この操作を「床もみ」と呼びます。蒸米の温度は31度〜33度ぐらいです。酒母麹では「もやし」の量を多めにして蒸米の全面に麹菌が繁殖した「総破精麹」に仕上げます。総破精麹は蒸米を分解する力が強く、酵母の栄養分の供給が盛んで、結果的に酵母の増殖や発酵が盛んになります。その後、添麹、仲麹、留麹と順に種麹量を減らします。酒母麹や添麹は酵母の増殖を目的としているのに対して後半は香味の調整を目的としているためです。 <切り返し> その後蒸米を堆積して品温が下がらないようにネルで包みます。床もみ後7〜10時間後に一度蒸米を崩して固まりをほぐします。この作業を「切り返し」と呼びます。切り返し後、再び蒸米を堆積して、翌日の「盛り」まで保温をします。
「蓋麹法」では盛り後3時間で「積み替え」作業を行い品温の均一化をはかります。盛り後約6時間後で仲仕事を行います。手で十分に攪拌してから、「あおり(サビる)」をして麹を蓋の中心に集めます。頂上に火口を造って積んでゆきます。
<仕舞い仕事> 仲仕事後5〜6時間経過して、品温が38〜39度にまで上がってくると、仕舞い仕事を行います。蒸し米をかき混ぜ水分の蒸発を促して温度を下げ、温度ムラを無くします。麹表面に川の字を描き表面積を広げます。箱同士の間隔を広げたり、裏返しの蓋を載せる等して、熱が篭らないようにします。仕舞い仕事後は米の表面を乾燥させ、麹菌の菌糸を米の内部に食い込ませます。 <麹3日目・出麹> 引き込み後丸2日経過すると、蒸し米の品温は43〜45度位まで上昇し、麹が仕上がります。麹菌の細胞内にはデンプンを糖分に分解するアミラーゼ系の酵素やペプチドやアミノ酸を生成するプロテアーゼ系の酵素がバランスよく蓄積されています。酒造りにはこの酵素を利用するのです。仕上がった麹は麹室(コウジムロ)から出して棚に広げます。この操作を「出麹」と呼びます。ここで1日枯らしてから、仕込みに使用します。 <突き破精麹> 吟醸酒を造るのに適した「突き破精麹」は蒸米表面にはあまり菌糸が回っておらず、蒸米の中に菌糸が食い込んでいる麹です。この様な麹はタンパク質を分解するプロテアーゼ系酵素が少なく上品で酒質に仕上がります。また、吟醸香の生成を阻害する不飽和脂肪酸なども少なく、香の高い吟醸酒向きと言えます。突き破精麹を造るには外硬内軟の蒸米に仕上げ、種麹量を少なめにし、製麹温度を高く保つなどきめ細かい工夫が必要で、杜氏の技の結晶と言えます。 <総破精麹> 一方、菌糸が蒸米全体に広がった「総破精麹」は糖化力、液化力が強く酵母の増殖に必要なビタミン、アミノ酸等の供給も多く普通酒や酒母に適した麹と言えます。
山田錦精米歩合50%仕込の醪経過です。酵母には高知酵母CEL19/熊本系KA-1を使用。CEL19は泡なし酵母の為、高泡は見られない。